本邦の大学等を卒業した留学生が就職活動を行う場合の特定活動
大学等を卒業しても就職先が決まっていない留学生の方もいるでしょう。留学の在留資格では卒業後に就職活動を行うことはできません。そのため、卒業後も就職活動を行うためには上記の特定活動(以下「就職活動のための在留資格」と呼ぶ)の在留資格に変更する必要があります。
では、「本邦の大学等を卒業した留学生」とはどのようなものが当てはまるかを以下で見ていきましょう。
「本邦の大学等を卒業した留学生」とは
対象は、次のいずれかに該当する者となります。
1.日本の大学生
2.日本の専門学生
3.日本語学校の留学生で海外の大学を卒業した者
となっています。
就職活動のための在留資格の在留期間
原則、最長1年です。
特定活動、在留期間は6月が認められ、更に1回の在留期間の更新が認められるため、大学等を卒業後も就職活動のために1年間本邦に滞在することが可能です。
就職活動のための在留資格の要件
基本的には、大学または専門学校を卒業(専門士の資格必要)し、そこからの推薦状をもらう必要があります。この推薦状は入管への提出物になるので必須です。
「日本語学校の留学生で海外の大学を卒業した者」の要件は大学または専門学校卒業生より厳しくなっているため、注意が必要です。
「日本語学校の留学生で海外の大学を卒業した者」の要件
・留学生の要件
- 海外の大学等を卒業等し、学士以上の学位を取得していること。
- 在籍していた日本語教育機関における出席状況がおおむね9割以上と良好であること。
- 就職活動を継続するための適切な経費支弁能力を有していること。
- 日本語教育機関在籍中から本邦での就職活動を行っていること。
- 在籍していた日本語教育機関と卒業等後も定期的に面談を行い、就職活動の進捗状況を報告するとともに、当該日本語教育機関から就職活動に関する情報提供を受けること。
- 日本語教育機関を卒業等した後も就職活動を継続することに関して、在籍していた日本語教育機関から推薦状を取得していること。
・日本語教育機関の要件
1.文部科学大臣の認定を受けた日本語教育機関に置かれた留学のための課程であること。
https://j-test.jp/souran/
2.過去3年間において適切な在籍管理が行われている必要があります。
3.職業安定法に基づく職業紹介事業の許可の取得か届出を行っていること。または就職を目的とするコースを備えていること。
4.在籍していた留学生の本邦における就職について、直近1年間において1名以上または直近3年間において2名以上の実績があること。
5.留学生の就職支援として、卒業後も面談を定期的に行い、就職活動の進捗状況を確認し情報提供を行うことが求められます。
6.特定活動の在留期間内に就職が決まらなかったり活動を取り止めた場合には、適切な帰国指導を行うことも必要です。
卒業2年目の就職活動について
就職活動のための在留資格を持っている方で、地方公共団体が実施する就職支援事業に参加して就職活動を行う場合、「就職支援事業に参加して行う就職活動のための在留資格」(特定活動、在留期間は6月)への変更が認められる場合があります。
この在留資格も、更に1回の在留期間の更新が認められるため、更に1年間(卒業後2年目)本邦に滞在することが可能です。
https://www.moj.go.jp/isa/content/930003206.pdf
資格外活動
資格外活動の許可を受けて1週について28時間以内で行う資格外活動(いわゆるアルバイト)が可能です。
また、就職活動の一環として行うインターンシップの場合などは、1週について28時間を超える資格外活動許可を受けることができます(就職支援事業に参加して行う就職活動のための在留資格が付与されている方が、当該事業の一環として行われるインターンシップに参加される場合は、資格外活動許可の取得は必要ありません。)。
必要書類
在留資格変更申請
・大学生の場合
1.在留資格変更許可申請書 1通
2.写真
3.パスポート及び在留カード 提示
4.申請人の在留中の一切の経費の支弁能力を証する文書 適宜
5.大学の卒業証書(写し)または卒業証明書 1通
6.大学の推薦状 1通
https://www.moj.go.jp/isa/content/930002543.pdf
7.継続就職活動を行っていることを明らかにする資料 適宜
※会社に送ったエントリーシートや説明会でもらった資料、面接に関する通知書等
・専修学生の場合
1.在留資格変更許可申請書 1通
2.写真
3.パスポート及び在留カード 提示
4.申請人の在留中の一切の経費の支弁能力を証する文書 適宜
5.専修学校の発行する専門士の称号を有することの証明書 1通
6.専修学校の卒業証書(写し)または卒業証明書及び成績証明書 1通
7.専修学校の推薦状 1通
8.継続就職活動を行っていることを明らかにする資料 適宜
9.専門課程における修得内容の詳細を明らかにする資料 1通
※履修カリキュラム、シラバス等
・日本語教育機関留学生(海外大卒者)の場合
1.在留資格変更許可申請書 1通
2.写真
3.パスポート及び在留カード 提示
4.申請人の在留中の一切の経費の支弁能力を証する文書 適宜
5.日本語教育機関の卒業証書(写し)または卒業証明書 1通
6.日本語教育機関の出席状況の証明書 1通
7.海外の大学の卒業証書(写し)または卒業証明書 1通
8.日本語教育機関の推薦状
9.継続就職活動を行っていることを明らかにする資料 適宜
10.日本語教育機関と定期的に面談を行うとともに、就職活動に関する情報提供を受ける旨の確認書 1通
https://www.moj.go.jp/isa/content/001355998.pdf
11.日本語教育機関が一定の要件を満たしていることが確認できる資料 1通
https://www.moj.go.jp/isa/content/001356002.pdf
更新申請
・大学生の場合
1.在留資格更新許可申請書 1通
2.写真
3.パスポート及び在留カード 提示
4.申請人の在留中の一切の経費の支弁能力を証する文書 適宜
5.大学による推薦状
6.継続就職活動を行っていることを明らかにする資料 適宜
・専修学校の場合
1.在留資格更新許可申請書 1通
2.写真
3.パスポート及び在留カード 提示
4.申請人の在留中の一切の経費の支弁能力を証する文書 適宜
5.専門学校による継続就職活動についての推薦状 1通
6.継続就職活動を行っていることを明らかにする資料 適宜
・日本語教育機関留学生(海外大卒者)の場合
1.在留資格更新許可申請書 1通
2.写真
3.パスポート及び在留カード 提示
4.申請人の在留中の一切の経費の支弁能力を証する文書 適宜
5.日本語教育機関と定期的に面談を行うとともに、就職活動に関する情報提供を受ける旨の確認書 1通
6.日本語教育機関が一定の要件を満たしていることが確認できる資料 1通